看護師 転職の重要事項
容易に理解できるように、能力主義は成果主義と年功主義との中間的な位置にあると考えられる。
成果主義とは何を意味しているのであろうか。
成果主義については、さまざまな理解があると考えられるが、最も一般的な理解は「企業活動への貢献度に比例して処遇する制度」ということではないか。
換言すると、「会社の期待に応えた者を高く処遇する仕組み」と表現する可能である。
以上の概念整理で問題となるのは、「企業活動への貢献度」とか「会社の期待に応えた」とは何か、それをどのように把握するのか、ということである。
義することなのである。
成長産業ではチャレンジ精神あふれた者ほど持に努めた者ほど「会社の期待に応えた者」ということになる。
例を考えても「企業活動への貢献度」とか「会社の期待」の内容は、企業によって異なるのである。
成果主義賃金の概念を別の形で表現すると、労働対価賃金ということになる。
労働対価賃金とは、従業員が行った労働の量や質に対応した賃金のことであり、すなわち成果主義賃金のことになるからである。
労働基準法は第11条において賃金を定義しているが、そこでは賃金はいうことを述べたものと考えられる。
成果主義賃金の実施面での最大の課題が、個人成果の把握の問題である。
個人成果を適切に把握できるならば、成果主義賃金は納得性の高い賃金として広く利用されると考えられる。
成果主義賃金を制度化している多くの企業の悩みは、個人成果の正確な把握が難しいという点にある。
仕事によっては個人成果の把握は容易である。
例えばタクシーの運転士を考えると、売上高という形で捉える可能である。
タクシーの運転手のケースでも、研究熱心な運転手は売上高が高くなる。
地理を研究したり、抜け道を調べたり、天候によって顧客の流れがどのように変化するかを把握したりして、効果的な運転を心掛けるからである。
多くの業務では、個人成果の把握は容易ではない。
それはチームワークで業務を進める多いからである。
その点を示したのが果や集団成果の中にもある。
また個人成果は同僚の協力を得て実現していることを忘れてはならない。
ように1人の従業員の個人成果は多面的である。
個人成果は何によって決まるのであろうか。
いま自動車のセールスマンを考えた場合、人によって毎月のように売上台数がかなり異なるという実態がある。
好成績を上げるセールスマンは、自社や他社の商品知識が豊富で、顧客との会話の面でも優れている。
他方、売上台数が少ないセールスマンは、その反対である。
すなわちセールスマンに必要な職務遂行能力に差異があるということなのである。
セールスマンに限らず、研究開発の仕事でも職務遂行能力の有無は個人成果に影響を及ぼす。
さらに個人成果に影響を及ぼす要因は、職務遂行能力以外にもある。
その一つは担当業務の内容である。
優秀な従業員を単純労働に従事させるとするならば、保有する能力をフルに発揮できないのであるから、大きな成果を挙げることはできない。
また保有能力の優秀な従業員に重要な仕事を担当させても、熱心に取り組まず、いいかげんに処理するなら成果は上がらない。
すなわちどの態度で仕事に取り組むかが成果に影響を及ぼすのであり、職務行動の内容が問われるということである。
以上を整理すると、個人成果を決定する要因は、職務遂行能力、担当業務の内容、職務行動である。
個人成果の決定要因としては、さらに環境要因を考えなければならない。
同僚が協力してくれるので成果が出るという場合もある。
個人成果を決定する要因としては、環境要因も考えなければならない。
個人成果の決定要因から明らかになることは、職務遂行能力や職務行動は個々の従業員の努力で改善する可能である。
また環境要因はどの従業員でも共通に影響する。
問題となるのは、役割(職務)については企業主導で決まるのが一般的である。
少しでも従業員の希望を反映するために、社内公募制度や自己申告制度を制度化している企業は少なくないが、そうした制度を通じてもすべての従業員の希望を反映することはできない。
したがって、個人成果の全体を、すべて個人の自己責任に帰すことは難しい。
周知のように、アメリカの賃金決定は成果主義にもとづいているといわれる。
確かに成果主義賃金のことを、先に述べたように労働対価にもとづく賃金であると考えると、アメリカの賃金は成果主義賃金である。
上述したように、わが国では、個々の従業員の役割(職務)は必ずしも本人の希望する役割(職務)であるとは限らない。
ところがアメリカでは、個々の従業員の役割(職務)は本人の納得を得て決められている。
その点がわが国の人事管理と比べて、大きな違いとなっている。
アメリカでは、従業員の採用においては職務内容を決めて採用する。
また企業内の昇進においても、基本的には社内公募制度を通じて昇進者を決定する。
社内公募制度により欠員を充足できないケースが少なくない。
それはアメリカでは、どの職務についても職務記述書が用意されており、職務記述書において職務遂行に必要となる能力が示されている。
したがって、職務記述書に示す人材が社内からの応募で充足できなければ、いくら応募があるといっても無理やり充足することはないのである。
その場合には、企業外から必要な人材を採用することになる。
内部昇進による充足率が内部昇進政策の採用率よりも低くなるのは以上の理由による。
賃金は、労働力または労働の銘柄別の需給価格であるが、その銘柄をどのように選択し、それぞれにどの比重をかけて賃金を決めるかのシステムを賃金体系と呼ぶ。
したがって、どのように銘柄を選び重みづけるかによって賃金体系はさまざまな種類となる。
日本は、過去100年わたり、おおよそ能力主義をとってきていることから、日本モデルは能力主義としての性格を持つ。
成果主義はアメリカで発達してきたことから、アメリカモデルとしての性格を持つといえる。
日本モデルとしての能力主義は、人材育成に主眼を置き、短期的な業績や成果ではなく、長期的にみて経営の発展にどう貢献したかをみる姿勢をとる。
集団主義としての組織基盤に立ち、職場の和と安定を重んずる。
能力主義(労働力基準)日本モデル人材育成和と安定長期的功績成果主義(労働基準)アメリカモデル人材活用格差と競争短期的業績アメリカモデルとしての成果主義は、人材活用(能力の発揮)に主眼を置き、その都度の短期的業績を高く評価する姿勢をとる。
賃金決定においては、格差と競争に役立つ賃金体系をとる。
背景として日本は農耕社会としての、一方アメリカは狩猟社会としての社会基盤があることも指摘できる。
賃金体系は、人間基準の能力主義と、仕事基準の成果主義の大きく二つに分かれる。
人材管理(人事・賃金システム)が取り扱う要素項目は三つある。
人と仕事と賃金である。
能力主義は“人が仕事を創る"という機能であり、成果主義は“仕事に人をつける"という仕組みであるといえる。
したがって能力主義の場合、期待する能力像(人材像)を予め明確にしておき、それを基準として人材の評価、育成、活用、処遇が行われるのに対し、成果主義の場合、職務を標準化し予め職務評価により職務賃金を明示し、それを基準にして人材調達と育成、活用、処遇が行われる。
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